経済力と幸福感は比例しない!? 衝撃の調査結果から幸せについて考えてみた

先日とある紅茶専門店に入るとお茶と銀の砂時計を店員が運んできました。砂時計の砂は流れていく時間を形にします。時代は平成から令和、どんどん移り変わっていきますが、1000年前も今も1000年後も、どの時代の人も共通して求めているもの、それが幸せです。幸せと聞くと少しかしこまった、よそ行きのイメージを持つ人もあるでしょう。表現を変えれば「癒やされたい」「安らぎたい」「わくわく」「どきどき」「ハイテンション」「リア充」「もえ」「末永く爆発しろ」など感情はいろいろですが、幸せという言葉におさめられると思います。

国民が「どれくらい幸せと感じているか」をGDP、平均寿命、寛大さ、社会的支援、といった要素をもとに各国を調査した世界幸福度ランキングというものがあります。2019年度の結果は1位フィンランド2位デンマーク3位ノルウェイと北欧の国々が占め、日本は58位でした。ここ5年間を振り返ってみても、2015年46位、2016年53位、2017年51位、2018年54位と低迷しています。
(参照:The Huffington Post Japan, Ltd. All Rights Reserved. Part of HuffPost News https://www.huffingtonpost.jp/entry/world-happiness-ranking-2019_jp_5c906a19e4b071a25a85e44c

経済的豊かさや平均寿命では世界のトップを維持し続ける日本、なのになぜ幸福度が低いのでしょうか。もちろん幸福度を測る指標が日本人に合わないということもあるでしょうが、それにしても低い結果です。経済力や治安の良さや寿命と幸せは関係ないのでしょうか。幸せとはいったい何なのでしょう。とらえどころのなさを感じます。幸せを理解するために、まずは幸せについて整理してみましょう。

あたなが幸せを感じるのはどんな時?

幸せという言葉があらわすものはとても広いので、ここでは大きく2つにわけて考えていきます。1つは自分の欲望が満たす幸せ、もう1つは他者に貢献する幸せです。
あなたが「幸せだな」と感じるのはこんなときではないでしょうか。

「がんばった自分にご褒美スイーツ」「試験が終わって、家系ラーメンを食べた」「恋人とクリームチーズタピオカをシェアした」「元日はこたつで猫と1日寝てた」「バイト代が思ったより多かった」これは自分の欲望が満たされた時に感じる快楽です。

もう一つは、「家で年末の大掃除を手伝って喜ばれた」「電車でお年寄りに席を譲ったら笑顔になった」「復興支援ボランティアに参加して、被災地の人達と心の交流ができた」これは自分以外の誰かに貢献できた時に感じる喜びです。

幸せと聞いてイメージするのは両方という人もあれば、どちらか一方という人もあると思います。この「幸せとは自分の快楽か他者への貢献か」という分類は、実は2000年以上前、古代ギリシャの時代から人間が考えてきたことなのです。

エピクレスとアリストテレスの幸福論

哲学では欲望を満たして幸せになろうとする考えを「快楽主義」、欲望をおさえて幸せになろうとする考えを「禁欲主義」といいます。

快楽主義の創始者とされるのが紀元前300年に生まれた哲学者エピクロスで快楽に溺れているひとをエピキュリアンと言われたりもします。実は、エピクロスが唱えた快楽は美食や性行為で得られる刹那的な快楽とは違い心の平安であったのですが、多くの人が快楽と聞いてイメージするのが肉体を喜ばせる強烈な気持ちよさのためか、その意味で理解されることが多いです。

一方、禁欲主義の源と思われるのが、哲学の父、紀元前384年から332年に生きたアリストテレスの幸福論です。彼は「エウダイモニア」という言葉で幸せを表現しています。これは古代ギリシャ語の「善」と「人間の運命」を合成した言葉です。自分が快楽を求めるだけでなく、ほかの誰かのためによい行いをする、それが幸せを生み出していくという考えです。

この2つ幸福論は幸せとは何かを知るヒントを与えてくれます。2つを比べてみると、肉体を喜ばせる快楽は一時的で自分の中だけで終わってしまいます。他人を喜ばせるよい行いは、それをした人も、受けた人も幸せにして、喜びの輪が広がっていきます。しかし他者に貢献するといっても自己犠牲になっては意味がありません。どうすれば自分も他人も幸せになれるのか。しあわせ学部で学んでいきましょう。

あなたが幸せを感じる瞬間はどんなときですか。よかったらコメントで教えてくださいね!

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