夢が叶うと消えてしまう充実感|原因は、性格のせい?

何をやっても虚しい。満足感がない。そう感じてる人が、最近、特に多い気がします。冷めた時代と言われる今はなおさら、むなしさを敏感に感じとる人が増えています。

何もやっていないわけじゃない、人並みに頑張っているつもりなのに、何をやっても、なぜか虚しい心はなくならないまま。むなしさをかき消すように、楽しいことをやっても、後から後から、むなしさが常に自分について回る。

「こんなことを感じているのは、自分だけ?」「こんな性格だからかな。」と思っていませんか。これは、あなたが、ネガティブな考えだからでも、性格のせいでもありません。今回の内容が分かれば、毎日のつまらない人生は、180度変わります。

目次
1.目標を達成するとなぜか虚しくなる
2.求めても求めても、心はまたむなしさに逆戻り
3.あなたが達成しようとしているのは「目的」か「目標」か

4.まとめ

目標を達成するとなぜか虚しくなる

先日、ある大学1年の女の子と話をしていた時に、こんな話を聞きました。その子は高校の頃、軽音部に入っていて、学園祭まで1ヶ月をきると、毎日のように、夜遅くまで練習をしていました。そして、本番を迎え、ライブは最高の盛り上がりで、無事に成功。

ところが、1ヶ月間、練習をして準備をして、いざ終わってみると、あぁ、終わっちゃった、という何ともいえない寂しさ、脱力感だけが残る。それは、3年間、ずっと変わらなかったそうです。そして、こんなこと感じてるのは、自分だけなのかな、と悩んでいたそうです。

これを聞いて思い出したのは『幸せの青い鳥』という作品です。

ベルギーの詩人であり、劇作家のモーリス・メーテルリンクが書いたこの作品は、1911年に、ノーベル文学賞を受賞しました。当初は、劇として上演され、後に童話として、世界中で読まれるようになりました。

チルチルとミチルという兄妹が、「幸せの青い鳥」を追い求めて、旅に出かけるところから、物語は始まります。しかし、思い出の国へ行っても、幸せの国へ行っても、未来の国へ行っても、青い鳥は、見つかりません。

やっと青い鳥を捕まえたと思っても、すぐに色が変わってしまうという印象的な場面があります。青い鳥とは幸せのことです。青い鳥を捕まえたら、色が変わってしまうとはどういう意味でしょう。

「幸せ」は、遠くにある時は、キラキラして、あそこまでたどり着いたなら、どんな幸せが待っているんだろうとわくわくします。ところが、実際に、青い鳥に近づくと、色が変わってしまうように、一生懸命追いかけて、いざ幸せを手にしてみると、瞬く間に、色あせてしまいます。

思っていた幸せはどこにもなく、「なーんだ、こんなものか」と、拍子抜けした経験は、皆さんにも、あるのではないでしょうか。何かに向かって、頑張っているときは楽しいのに、目指していた夢や目標が叶ってしまうとポッカリと穴が開いたような感じがする。

大学受験でも、高校の頃は、大学での楽しいキャンパスライフを夢見て、受験勉強をした人は多いと思います。私も、大学に入ったら、サークルに入ったり、旅行したり、遊んだり、自由に自分の好きなことを思いきりやって、毎日キラキラした楽しい大学生活をきっと送れるに違いないとすごい期待をしていました。

だからこそ、しんどい受験勉強も頑張れました。ところが、いざ受かってみると、ほっとしたのも束の間で、レポートや試験に追われる日々。最初のうちは新鮮ですが、1ヶ月たち、GWがあけると、なぜか教室にいた人の半分くらいがいなくなっているという現象が起きます。そして、休講の連絡が来ると、喜んでる自分がいました。

求めても求めても、心はまたむなしさに逆戻り

イギリスが誇る劇作家バーナードショーは、「世の中には二つの悲劇がある。1つは、夢がかなわない悲劇。もう一つは、夢がかなってしまう悲劇。」と言っています。

夢が叶わない悲劇とは、例えば、好きだった人に告白したけど、フラれちゃった。行きたい大学に行けなかった。オリンピックで、金メダルを取れなかった、など。これは、とても辛いですよね。

ところが、この世には、もう1つの悲劇がある、と言っています。それは、夢が叶ってしまう悲劇。ようやく叶った夢なのに、なぜか釈然としない。一般に燃え尽き症候群と言われたりしますが、目指していた目標を達成してしまうと、プツっとやる気の糸が切れて、燃え尽きた状態になることです。これによって、スポーツ選手が引退を決意するということもあります。

皮肉なことに、大きな目標を達成した時ほど、「私は何をやっていたんだろう」「もっと他に何かあるのでは」という、感覚に陥りやすいと言われています。

アメリカの大統領ドナルド・トランプ氏は、こう言っています。

人生最大の目標を成し遂げた人で、その目標達成とほぼ同時に、寂しく虚しく、放心に近い感情を抱き始めることのない人はめったにいない。他人の人生を見るまでもなくそれが本当だということは、私にはわかる。私も他の誰にも劣らず、その落とし穴に陥りやすいのだ

ドナルド・トランプ

それでも、また、「今度こそ」と次の目標に向けて頑張りますが、雲をつかむようなもので、結局、また同じところに戻ってしまう。

あたなが達成しようとしているのは「目的」か「目標」か

人それぞれ、何にやりがいを感じるか、楽しいと思うかは、違いますが、どんな人にも共通して言えるのは、趣味や目標に打ち込むのは、その先にある満足や充足感、といった幸せを求めてのことです。そして、その満足感や充足感がずっと続いて欲しい、というのがすべての人の願いです。

すべての人は幸福が永久に続くことを求めている。

プラトン『饗宴』

ところが、趣味にどれだけ没頭しても、目標を達成しても、幸せになりきれていないのは、なぜなのでしょう。それは「目標」と「目的」の違いを知らないからだと言われます。

え?「目標」と「目的」に違いなんてあるの?似たようなものじゃないの?と思うかもしれませんが、「目標」と「目的」は違います。

マラソンで例えれば、「目標」は給水所、「目的」はゴールです。目標は、人生の通過点であり、人生の目的と言われるものではありません。目標は達成すると喜びはありますが、しばらくすると消えてしまいます。

そんな目標だけを追い続ける人生は、どんな人生になるでしょう。目標にたどり着けば、「やったー」という一時的な達成感はあっても、時間と共に薄れ、気づけばまた心は、スタート地点に逆戻り。ちょうど、ゴールのない円周をひたすらぐるぐる走っているようなものです。

マラソンで言えば、給水所をどれだけ通過できても、ゴールに着けなければ、心から「走ってきて良かった」とは言えません。「走ってきて良かった」と心の底から、満足できるのは、ゴールを突破したときです。そこで初めて、それまでの苦労が報われるのです。

人生の目的とは、達成した満足が、色あせたり、薄れることの決してないものです。もし、あなたが何をやってもむなしいというのを繰り返しているなら、それは、あなたが達成しようとしているのが「目標」だからです。

では、人生の目的、人生のゴールとは、何なのか、何をすれば、「生まれてきてよかった」といえるのか、続けて学んでもらいたいと思います。

まとめ

人並みに頑張っているつもりなのに、何をやっても、なぜか虚しい心はなくならないままという声がよく聞かれます。 それは、自分がネガティブな思考だからとか、性格のせいだと思っている人がいますがそうではありません。

趣味にどれだけ没頭しても、目標を達成しても、幸せになりきれていないのは、「目標」と「目的」の違いを知らないからです。

もし、あなたが何をやってもむなしいというのを繰り返しているなら、それは、あなたが達成しようとしているのが「目的」ではなく「目標」だからです。

人生の目的とは、達成した満足が、色あせたり、薄れることの決してないものです。 人生の目的とは何なのか、続けて学んでいきましょう。

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