令和最初の流行語大賞「ワンチーム」 ワンの意味を検証したら本当の仲間の作り方がわかった

「大学の友達付き合いって意外とあっさりしてるな」「親友っていえる友達がほしい」という声をときどき耳にします。何でも言える気心知れた仲間がいることは心強いですし、そんな仲間と過ごす時間は楽しいものです。でも、なかなかそういう仲間にめぐり合えないという人も多いです。本当の仲間はどうしたら見つかるのか。そのヒントをくれるのが令和最初の流行語大賞「ワンチーム」です。「ワンチーム」はどうやって生まれるのかを知れば、熱い仲間とも出会うことができるようになります。

「ワンチーム」のワン もう1つの意味

令和最初の流行語大賞に選ばれたのは「ワンチーム」でした。ラグビーワールドカップから生まれた流行語ですね。ラグビー日本代表には7カ国15人の海外出身選手を含む31人の選手がいます。この31人が「ワンチーム」として結束し、皆が1つの目的に向かったことで、予選プール4連勝、日本ラグビー史上初の決勝トーナメント進出を決めるなど快進撃を続けました。

ラグビーでは「一人はみんなのために、みんなは一人のために」という言葉が使われるそうです。元はアレクサンドル・デュマの「三銃士」に出てくる“All for one, one for all.”という言葉です。

All for oneは「みんなは一人のため」と和訳されることが多いですが、社会人ラグビー部の再建を描いた池井戸潤の小説『ノーサイドゲーム』(2019,ダイヤモンド社)では「ひとりはみんなのために、みんなはひとつの目的のために」と書かれています。oneには「唯一の」という意味もありますから、「ひとつの目的のために」という解釈も頷けます。
この場合、一人はチームのために貢献し、一人では果たせない大目的にチームで向かうのだという意味になりますね。

真の仲間とは「仲良し」ではく「同志」

仲間とは一人では到底叶えられない「目的」を共有するひとたちのこと。一人でできることならわざわざ仲間を集める必要はありません。「仲間を集めて何をしたいのか」を明確に意識していないと仲間は集まらないのです。本当の仲間が欲しければ、あなたに共感して人が集まってくるような大きく確かな志を持つことが大事です。そうすれば、その志の大きさに応じた仲間が自ずと集まってきて、結束力も強くなります。仲間と同じ意味で「同志」という言葉がありますが、まさしく志を同じくしているものと書きますね。本当の仲間とは同じ方向を向いて一緒に進んでいく人のことなのです。

ではどんな志をもったらいいのでしょう。志によっては集まる仲間も変わりますし、場合によっては人生を左右することもあります。今話題のこの人物をピックアップして学びたいと思います。

新一万円札の顔 渋沢栄一が後悔した若き日の「立志」

2021年の大河ドラマ「青天を衝け」の主人公は新一万円札の肖像に選ばれた渋沢栄一です。名実業家である渋沢栄一が、後悔した若き日の志とはどんなことでしょう。

志の立て方が生涯を左右する

自分の一生に歩むべき道--その大方針を決定するのが「立志」である。
自分はこの世の中にたって、どの方向に向かったらよいか、どういう仕事をすればよいのか、そしていかにして一生涯を有意義に完結するのかを、前もって決めるのであるから重大な問題である。私自身、これに関しては痛恨の歴史を持っている。

渋沢栄一,『富と幸せを生む知恵』,2018,実業之日本社文庫

渋沢は「農民の子」と武士に見下されて一生終えるのがいやで、17歳で武士になりたいと諸国を放浪しました。その当時を振り返り「今でも大後悔している自分を無駄遣いした立志」「ほとんど無意味に空費したようなもの」「思い出しても痛恨に耐えない」と後悔しています。それは眼の前の社会の風潮に動かされ、あるいは周囲の事情に制約されて、志と異なる方角に向かってしまった後悔でした。自分と同じような人が多いので、「世間の景気に乗ってうかうかと駆け出すことがないようにしてもらいたい。それにはまず冷静に自分を見つめねばならない」と述べています。

社会の流行や、周囲の声に押し流されて、自分を見失わないようにするのが大事です。「自分の一生に歩むべき道」自分の人生のすべてを費やしても満足できるものをまず定めないといけないという先人の助言です。

その目的に向かうとき、あなたの周りには熱い仲間が集まっているでしょう。では一生かけて悔いのない目的とはどういうものか、またの機会に書きたいと思います。

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