「100日後に死ぬ」命の期限を意識すると見える本当に大事なもの

「100日後に死ぬ」と命の期限を明記し、SNSに投稿されたマンガが話題になっています。何気ない日常に、死まであと〇日とカウントダウンが表示されています。「何気ない日常、こんな一日ざらにある。 何気ない日常って俯瞰してみるとなんか寂しい」「のんびりしてる間に死が近づいてくる恐怖 」「お金は使おう。貯めてても意味がないから」など、作品を読んで多くの感想が送られています。

命の期限を意識したとき、学校にいって、バイトにいって、友達と遊んで、何気なく毎日を過ごしているけど、本当にそれだけでいいのかな、と自分を見つめ直す心が出てきませんか。このように当たり前になっている日常を見直すことは人生においてとても大事なことです。死を真面目に見つめることと人生を充実させることは、切っても切り離せない関係があります。今回は、命の期限を意識したとき起きる人生観の変化を見ていきましょう。

命の期限を意識したとき価値が反転する

自分の命が残り数日となったとき「お金は使った方がいい。命が残りわずかとなって貯めていても意味がないから」という意見がありました。この意見に確かにと頷く人も多くあるのではないでしょうか。

2003年に放送されて大反響を呼んだ「僕の生きる道」というテレビドラマがあります。ガンで余命1年と宣告された高校教師を描いた作品です。そのドラマの中で、余命宣告を受けた主人公が募金箱に分厚い札束をねじ込むシーンがありました。将来のためにコツコツ貯金していたお金です。そのお金も余命1年の主人公には使い道のないものになり、それを無造作に募金箱につっこんだ姿は大きな話題となりました。

考えてみればお金は生きているときには必要なものですが、残りわずかの命となって使い切れない分は自分には不要なものになってしまいます。もちろん他人のために使ったり、家族に残したりすることはできますが、自分自身にとっては必要以上にあっても仕方のないものになるのです。

生きていくのに「必要」なものが、死を前にしては「不要」に変わったということです。お金はまだ人に残すことができますが、趣味で集めたマンガや服や靴となると、人に残せるものはほとんどありません。最近は終活をして自分が亡くなったら捨てるしかないものは、自分が元気なうちに処分してしまおうという人も増えています。

自分の生活に必要だと買い揃えたものが、死ぬとなると「要らないか…」に変わるのです。価値があったものが価値のないものに反転しています。ここから考えておかねばらならないことは、死まで含めて人生を見ていないと、最後の最後でよいと思っていた人生観がひっくり変える可能性があるということです。

命が有限だとわかると人生で本当にしなければならないことが見えてくる

確実な未来である死を意識すると、「このままでいいのかな…」と自分の人生を見直す心が出てきます。なぜそういう気持ちになるのかというと、生きているときに価値のあるものが、死ぬとなると価値がなくなってしまうことにふと気がつくからではないでしょうか。人生で本当に価値のあるものとは何だろうと疑問に思います。その問題と向き合うときこそ、命の期限を意識することが大事です。

生と死は反対のものというイメージがありますが、 生まれてきたからには必ず死なねばならないことからすると、本当は表裏一体、紙の裏表のように切り離すことができないものです。しかし、私たちは日頃その事実を忘れて生きています。その証拠に、まさか今日や明日が最後の日ではないだろうと思っています。そして、10年20年経っても、もっと進んで80歳90歳になっても「今日ではない」と思い続けていることでしょう。「今日は死なない」がずっと続くことは、無限に生きていられると思っていることになります。私たちは必ず死ななければならないことを知識として知っていますが、本心では命が無限にあるように思っているのです。

無限にあると使い道をきちんと考えなくなります。例えば、100万円が入った銀行口座を持っていて使えば使った分の金額が自動で補充されるとしたらどうでしょう。移動はすべてグリーン車、飛行機ならファーストクラス、どうしても欲しいというわけではないけれど買えるからバッグも時計も服も靴も高級品で、とあまり深く考えずに「本当にそれ必要?」というものまでどんどん買ってしまうかもしれません。

逆に、財布の中にはこの1万円しかないとしたらどうでしょう。それだけの金額を払う価値が本当にあるのか、この限られたお金をどう使うか、真剣に考えるのではないでしょうか。有限だと思えば、使い道を必死に考えるのです

人生も同じです。死を忘れていつまでも無限に生きていられるように思っているときは、いい加減な使い方になってしまいます。「難しいこと考えなくても、今が楽しかったらいいんじゃないの」と適当に過ごしてしまいます。逆に、限られた時間しかない、有限だということがわかると、何に使えば本当に満足できるかを真剣に考えるようになるのです。

命の期限を意識することは、自分の人生が何のためにあるのかを考えるうえで、とても大事なことです。死は暗くて嫌な話題だと避けてしまいがちですが、本当は逆です。死の問題に真面目に取り組むことで、人生の意味も真剣に見つめることができるのです。

まとめ

自分があと100日しか生きられないとしたら、今の日常を続けますか。何か変えた方がいいような気がするのは、生きているときには価値のあるものが、死ぬとなると価値のないものになってしまうとどこかで気がついているからです。最後に価値がなくなるものしかない人生で本当にいいのかなと疑問に思えてくるのです。

自分の命の期限を意識したとき、自分にとって本当に価値があるものは何かという問いに真剣に向き合うようになります。死は考えたくない嫌なものですが、死と向き合うことは、充実した人生のために欠かすことができないものなのです。

死と真面目に向き合うと、今するべきことが見えてきます。それについてはこちらの記事がおすすめです。
人生は猛スピードで飛ぶ飛行機① 実りある人生飛行のための欠かせないポイント

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